いつかはエイジシューターに 

三流作家がエイジシュートを目指すブログです。

こうして、ゴルフは冬のスポーツへ

   暑い。とても暑い。

 梅雨明けはうれしいけれど、少し早い気がする。自分は三十年ぐらい前の大渇水を経験しているので、その大変さはよくわかっているので、、雨は降るべき時にもう少し降ってもらわないと。
 

 ゴルフもこの暑さの中で、まさに死にに行くようなものだ。いくら、暑さ対策の防暑対策グッズが増えても、限界がある。MAX太陽の力にはどうしても負ける。

 かつては、三十度を超えるだけで、夏日と言われた。今は朝起きた時点ですでに夏日である。
 

 真面目な話、昨今は本州の平地にあるゴルフ場は、7、8月を閉場とするとこも増えてきた。9月15日までというところすら。
 今は6月下旬、下手するとそのうち、6月から9月までまるっと閉場というところも出てくるかもしれない。
 

 だったら、冬はどうかと言われても、冬は冬で寒い。
 小雪舞うような真冬の寒風の吹きさらしの中でやっていると、まだ夏の酷暑の方がいいと思ってしまうのが人の常だ。そしていざ酷暑でやると、冬なら着込めばいいのでましといった気持ちになるのも不思議だ。
 
 このまま、酷暑が続きゴルフ人口が減り続けると、いつかは6月から9月、場所によっては1月から3月まで計7ヶ月が丸ごと閉場となるかもしれない。こうなるとできるのが5か月だけ。半年にも満たない。
 

 こうなると日本のゴルフはもう終わりだなと思ってしまうが、調べると外国のゴルフ場も雨期があったり、獣害があったり、乾期があったりと、意外に一年中やれる国は少なくない。
 
 イギリスは、一年中やれるが、一日の中に四季があると言われているぐらい天気が変わりやすくて、ホールアウトすら難しい日が良くあるという。とうぜん、北欧のゴルフ場は雪で閉ざされて半年もやれない。
 
 となると、日本だけがひどいというわけでもなく、逆に一年中やれるという方がすごいことなのかもしれない。
 

 四季がある中、コースをきちんと整える力。それは日本のゴルフ場グランドキーパーが世界的に見てすごいし、もっとも評価されてもいいのかもしれない。
 
 〝 ゴルフ場 四季折々を 散策し 〝 

 

稲武カントリークラブってどう? 偏見感想

 これはあくまで、本当に主観の、ハンディ30レベルのゴルファーがプレイした感想です
(一般的な評価を知りたい方は、楽天とゴルフダイジェストのサイトにどうぞ)。
 天気は晴れ、梅雨に入る直前で、素晴らしい状況。
 7時スタート 18ラウンドスループレイ。
 

 

   コースは山岳コースに分類してもいいかも。

 


 全体的にアップダウンが多く、フェアウェイは狭く、グリーンはほぼ砲台で、グリーン周りはバンカー多数。
 そして、ピータートムソン設計。最初に聞いたとき?となった。
 

 ピータートムソンというと、全英オープンを何回か勝った人で。リンクスコースの王と呼ばれていた人。
 

 稲武カントリークラブは、愛知県の東部の山奥にあり、標高750メートル。リンクスとは真逆の環境だ。
 

 そのせいか、バンカーが異様に多い。それはリンクスのイメージを引っ張っているのか、ただバンカーが好きなだけのかはわからないが、グリーンも異様に早く、自分のようなアプローチを転がしでやるタイプには、まさに天敵。乗ったと思うと、コロコロと転がり、バンカーへコロン。
  

   この光景を、18ホールの中でデジャビューとして何度も見た。
 そのせいか、グリーン周りが難しく感じる。パターもいつもと感じが違う。
 早いグリーンは基本的に好きなのだが、バンカーに転がり落ちるのを恐れてすべからくショート。
 

 うーん。最初はこのコースは老人向けかと思ったが、ロフトのある58°や60°のウエッジで上げて止められる若者の方がいいのかと思うようになった。
 とにかく、アプローチが転がし派のゴルファーにはストレスがたまる。
 

 コースコンディションは、カート乗り入れOK(有料)のわりに、良好に保たれていて、ディボットの跡もカートの轍もほとんど見当たらない。
 ただし、そのフェアウェイが狭い。そしてだいたい左右に谷があり、グリーンまでのショートカットを狙うと、ミスるとたちまちバンカーや深いラフの餌食。
 

   

   そして、ほとんどが登りとなっていて、思った以上に距離がでない。
 それでも、この数年取り組んできたスイング改造の結果、ドライバーがだいたい250ヤード平均を超えるようになってきた。
 一ホールだけだったが、270ヤード飛んだ。
 

 すべては、Tera-You さんと、片山晋呉さんと、石川遼さんと、青木翔さんのYouTube動画のおかげ。
 

 それは今回のグラウンドでの最大のお土産となった。が、それ以外には大してお土産はなく、ピータートムソンが作った砂地獄のせいで、結局は118という多たたき。イメージとしては、100は切れると思ったのに。すべてはグリーン周りのせい(そう思いたい)。

 

  そして、この稲武カントリークラブ、アコーディアさんが経営している。前回来たとき、経営難がささやかれいて(メンバーの人から聞いた)。危ないにかなと思ったら、いつの間にか買収されていた。
 

 アコーディア経営のゴルフ場に行かれた人はわかるけれど、とてもすべてが合理的で効率的。
 ゴルフバックを下ろすのも自分。受付から、精算まですべて端末操作。
 

    そして、茶店も自販機で、昼ご飯もフードコートのようにすべてがセルフ(味はとてもおいしい)。そこが少し味気ない気がしたけれどしょうがない。皿を置いて席を立ったら、すかさず

「ご自身で返却口にお返しください」とそっけなく言われてしまった。
 

 もちろん、ゴルフ場のコース自体の評価とは直接関係ないが、半分保養とリラクゼーションで来ている人には、少し残念に感じるかも。
 

 あと、とても涼しくて快適だったけれど、名古屋人からするといさささか遠い。かなり下道を走らなくてはならない。えっちらおっちら走ってようやく、足助の香嵐渓に到着って感じ。
 あまり点数化はしたくないけれど、ほんとうにへぼゴルファーの独断と偏見で。
                
(各5点満点、本当に独断です)

 飛ばし屋ー派        2点(フェアウェイが狭い、突き抜けるホール多し)
 アプローチ転がし派     2点(砲台グリーン、高速グリーン)
 バンカー苦手派       1点(バンカーがとにかく多い、ただ砂は良好)
 パター苦手派        1点(とにかく速い) 
 リラクゼーション重視派   2点  (効率重視かな)  
 料理重視派         4点(アコーディアはどこもおいしい)          
 料金コスパ重視派      3点(朝7時18R スルーの割には・・・)
 コースコンディション重視派 4点(よく綺麗にされている。特にラフ)
 待ち時間0派        2点(詰め込みすぎ?)
 

 点数が低い項目が逆に得意な人は楽しいと思います。
 
 といった感じでしょうか。来月もお邪魔するので相対的に満足したのかも。
  
 〝 梅雨入りも 稲武の芝は すすしげに 〟

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ゴルフ史家 摂津茂和を知っていますか?

 ゴルフ史の大家である摂津茂和という名は知っていたけれど、もともとは小説家だったことまでは知らなかった。 

 調べてみると、小説家になったのが何と40歳過ぎ。

 ゴルフのエッセイや、歴史、翻訳などを本格的に手がけたのが55歳になってからというからさらに驚きだ(と言いながら小説家になったのも、ゴルフに関してのエッセイを同人誌のようなものを書いたのがきっかけだったが)。
 

 しかも、そのあと長生きして90歳近くまで生きた。つまり、ゴルフについて語り始めたのが、人生半ば過ぎてからということになる。

 敬愛する夏坂健も、「読むゴルフ」と言われた名エッセイを書き始めたのもかなり年を重ねてからだった(50年歳を過ぎて)。
 

 たぶん、ゴルフというスポーツを、娯楽、趣味、いろんな見方や、やり方から捉えて、上手く自分の言葉を使って語れるようになるのは、ある程度人生の年季が必要なのかもしれない。
 

 それは、ゴルフがよく人生になぞらえられることに関係があるような気がする。
 

 自分も若い頃は、ただプレイに夢中でスコアを上げることしか考えていなかった。

 〝誰々よりも飛んだとか‘’ 

 ‘’先に90を切った‘’

 ‘’今日はバーディ3つ取ったとか‘’ 

 そんなことばかりを、ゴルフ仲間の間で自慢し合い、競い合い、息巻いていた。

 ゴルフというスポーツの真髄なんて考えたこともなかった。
 

 これも誰かが言っていたことだが、
「ゴルフというのがわかるようになるのは、肉体的にピークを越えてから」だと。
 

 身体が硬くなり、筋力が衰え、ドライバーが飛ばなくなる。その代わりに小技がうまくなり、パターの芝目を読めるようになる(これは、急にそうなるらしい)
 

 ゴルフというのは上り坂のときは気づかないことが、下り坂になるとよくわかってくることがたくさんある。
 
 ここは、無理せず刻むか、レイアップしよう。バンカーをよける等々、冒険せずに、手堅いコースマネージメントを選ぶようになる。ただ、ときには若い者には負けんとムキになる(それを自覚する)。
 

 それは、人生の生き方そのまま当てはまる気がする。無謀なことは避けて通るが、どこか若い者には負けまいと張り合う気持ちもある。
 

 そして、ゴルフというスポーツの素晴らしさは、そうした下り坂のプレイヤーをもやさしく受け止めてくれることだろう。
 

 五感というのは、色、音、香りを含めて、肉体の衰えとは逆に、若者の5倍は繊細に、敏感になっていくという。
 だから、短歌の名句はお年寄りが作った方が圧倒的に多い。
 

 本当は、昔手元にあった、摂津茂和の本(不滅のゴルフ名言集1~3)を紹介しようと思ったけれど、残念ながら自分の書棚も、古本屋でも見つけられなかった。なくした?

 摂津さん自身が、ゴルフに関する古書をとても大切にする有名コレクターだったというのに、すみません。
 

 自分の、エイジシュートになるというブログサイトを始めたのも、肉体が衰えてきて、ようやくゴルフというものがわかってきたこともあるが、何となくゴルフを語ってもいいような年齢になった気がしたこともある。
 

 エイジシュートを達成できるか、はたまた先に死んでしまうのか、おそらく後者の確率の方が高いけれど、夏坂健さんや、摂津茂和さん、それに小説家では丹羽文雄さん、ジョゼフコンラッドのような、ゴルフを文章で楽しめるようなものを書けるようになれた方が、エイジシュートを達成するよりも、よっぽどうれしいことかもしれない。

 

〝 先人の ゴルフ話を 聞きたくて 〟

 

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雨の日のゴルフを楽しむには

 雨の日のラウンドって、やっぱり憂鬱にはなるけれどいいこともあって、基本的にコースが空いていている。季節によっては貸し切り状態のこともある。 
 梅雨のさなかだと、特にこういうことが多くある。

 

 自分としては、プレイ自体サクサク進むのがとにかく好きなので、混んでいてホールの間の待ち時間が多いよりも、真夏や、真冬、超早朝開始や、雨で空いている方がよっぽどましだと思っている。 

 だから、いくら天気が悪くても、貸し切り状態のゴルフ場は許せるタイプだ。

 

 ただ、雨の日のゴルフ。ご存じのようにスコアはあまり期待できない。雨に強いという人は、ことゴルフに限って聞いたことがない。

 そもそもレインウエアーを着ているだけでかなりのハンディキャップを背負っているし。そもそもボールも飛ばないし、グリーンの上ではボールも転がらない。

 

 だから、雨の日のゴルフを嘆いて空を睨んでいるよりも、ゴルフ場に来てしまったらどうしようもない。何か楽しみを見出すしかない。

 天を恨むのではなく、雨を楽しむ。

 これしかない。その中で特にお勧めは、コースを打つ静かな雨音に耳をすますことだろう。

 

 雨音というのは、ふりかえってみると台風やよほどの大雨でない限り、真剣に聞く機会がほぼない。防音がしっかりした家の中ではほとんど聴けないし、外では自分の傘の音や、その他の騒音にかき消されてしまう。

 
 しかし、YouTubeスマホアプリ(愛好者です)で雨音専門のチャンネルがあるように、実は雨音というのは愛好者がいて、多くの需要がある。しっかり、聞こうと思うと、かなり趣があるのがわかってくる。下手すれば音楽よりも心地良いと思う瞬間がある。

 そして、ずっと聞いていると、雨音にも一分ごとに変化があるのがわかる。

 
 コースでゴルフカートに座りながら、ぼんやり次ホールの順番待ちや、同伴者のショットを見つめながら、その合間にしばし雨音に耳をそば立ててみる。

 
 すると、鬱陶しいと思っていた風景が急に近いものに感じられて、何となく気分がおだやかになってくるのがわかる。この世界には、雨も必要なんだなあと思えてくる(少し言いすぎかな)。

 

 そして、雨音も、ティーエリア、フェアウェイ、バンカー、ラフ、グリーンの上、と場所によって微妙に変わる。

 その違いを楽しむのもなかなかいい。詩想など浮かんで、短歌や俳句など出来たら尚更いい。

 そして、静かにふりしきるフェアウェイのど真ん中で、傘も置いてそっとアドレスを取ると、雨というものを全身で感じられる。

 それは、小学生の頃の、全身雨に打たれながら遊んでいた頃を思い出させる(これも少し言いすぎかな)。

 
 雨を感じる。雨の本質を味わう。これってゴルフのプレイ自体にも何となく役立つ気がする。何に? と聞かれると困るけれど。

 と、言いながらも、やっぱりゴルフの前日は、晴れ間を願ってしまうヘボ三文文士ゴルファーなのでした。

 

  ‘’ 嵐止み 雲の流れと ボール行き ‘’

 

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やっぱりベント芝でやりたい

 今では当たり前のベント芝も、普及するまでに歴史的な経緯があるらしい。
 

 日本初のゴルフ場である神戸ゴルフ倶楽部は、当初は雑草や笹を刈り取っただけのフェアウェイだったらしい。まさに原っぱ。
 

 最初に西洋芝(ベント芝)が導入されて使われたのが、かの有名な東京ゴルフ倶楽部朝霞コース(よくメジャー大会をやる)そして有名廣野倶楽部で初めて西洋芝(ベント芝)が採用されたが、その年の夏の酷暑で全滅してしまう、わずか半年。
 

 しかたなく、暑さと寒さに強い、よくご存じの高麗芝が使われるようになった。ただおわかりのように高麗芝は丈夫だけど転がりが弱く、芝目をしっかり読まなくてはいけない。それに、外国ではベント芝がメジャーであり、とにかく見栄えがいい。
 

 ということで、耐久性の高い品種の開発とメンテナンス技術の向上により、ベント芝は日本のゴルフコースで広く普及していった。

 ただ、それでもやはりベントは踏まれることに弱く、一年中使用に耐えないため、メインテナンス期間がかなり必要。

 ということもあって、自然とおなじみの2グリーンシステム(外国ではないらしい)がゴルフ場に不可欠となった。
 

 しかしそれも、高麗芝の不人気ともあって、どうしてもベント芝の必要性が高まった結果、メンテナンスが容易な「ニューベント」などの品種が開発され、全国のゴルフコースで使用されつつある。そして、西洋のようなワングリーンも多くなってきた。

 

 自分は長らく、高麗芝でゴルフをやってきたので、どうしても芝といえば、このごわごわした公園にも使われている丈夫な芝をイメージする。
 

 初めてゴルフ場でベント芝でプレイしたとき、あまりにもきれいすぎてグリーンに足を踏み入れるのを躊躇したのを覚えている。

「ああ、これが西洋のグリーンか」と。

 アメリカツアーをテレビで観たような。それに何と転がるんだ。これまでの転がしゴルフが・・・と思った。

  最近は、2グリーンシステムのところは、メインがベント芝、サブグリーンが高麗芝というのが定番のような気がする。
 

 たまたまプレイ日が、メイングリーンがメインテナンス中で、本日は高麗芝だとわかると、少しがっかりする。それはみんな同じだと思う。それだけベント芝は、日本のゴルフ場に革命をもたらしたのかもしれない。
 

 ただし、やはりベント芝は夏に弱いのか、8月にもなるとぼこぼこになってしまっているゴルフ場も多い。そこそこきれいな高麗芝でやるか、でこぼこでもやはりベントか、ゴルフ場側の選択も大変だ。
 

 自分はパターが安定してきたので、いくらでも高速グリーンでオッケーかな(自慢)

 

 〝 青き芝 きれいな海を 連想し 〟

 

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「禅ゴルフ」を読んで

 ただ、題名に惹かれて手に取った。

 禅に傾倒(というかライフワーク)、さらにはゴルフ好き。これが二つが重なっているとなると、読まない手はない。
 

 というわけで、わざわざ新刊を買ってまで読んだ。本の帯には、ビジェイ・シン、レッド・ベター、等々懐かしい人たちの推薦文が並んでいる。
 

 なるほど、いかにも禅に興味が惹かれそうな面々(特にビジェイ・シン)である。
 

 しかし、日頃から道元の「正法眼蔵」を愛読し、「鈴木大拙全集」読み返している自分としては、この本を読み終えた感想としては、たしかに禅とは謳われていても、どこか禅というよりも、老子荘子の話に近く感じた。 
 

 いっとき、外国では、「禅」と名がつけば、こうした本だけではなく、食べ物も、洋服も、売れたという。しかし、はっきりいって、この本で書かれているのは禅の真髄からはほど遠いものだった。
 

 どちらかというと、メンタルトレーニングと心理学をミックスしたものに、老荘思想を振りかけて、禅のパッケージをかぶせたような・・・。
 

 もちろん、翻訳までされているのだから、発刊当初はかなり売れた本らしく、よく書かれてはいる。

 禅の真髄とはあまり関係ないんだと割り切って読めば、ゴルフにおいてはそれなりに有用で、コースでのメンタルコントロールの保ち方には役立ちそうだが、それは、ビジェイ・シンのような一流選手に対してであり、日によっては酔っ払って100前後で回っているようなへぼゴルファーには、あまり役に立たないような気がする。
 

 反対に、どこまで一打にこだわりたい、競技会に出たい人や、一打の差で順位や、プロのように何千万、何億と変わっていくよう勝負するようなシビアな世界の人には、読んで損はないと思う。
 

 ゴルフはメンタルスポーツと言われているが、これもメンタルの強さの話以前の人(わたしのように、おののきおろおろしがちな人)には、あまり役に立たないかもしれない。

 

 だから、この本は禅ゴルフという題名だが、ゴルフ以外の何か難しい試験みたいなものに望もうとする人には、心構えとして役に立つ部分は多いと思う。
 

 過去において、OBや、おしいパットを外したとき、思わず激高してゴルフクラブを地面にたたきつけたり、投げたりして、感情を乱してスコアを台無しにしがちな人。さらにはそうした感情の爆発で同伴者に迷惑をかけたことがある人は、ぜひ読んで欲しいと思う。

 

  〝 禅と呼ぶ ゴルフの世界は 遠くにて 〟

 

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7本のクラブで勝負

 ちなみに前回の記事と前後します。

 

 ときどき見るマーク金井さんのYouTubeチャンネル動画の中で、「素人はゴルフクラブは7本セットで充分」とおっしゃっていた。

 マークさんも、実際に7本で外国のリンクスとかを手動カートを引き連れて回られて、70台のスコアを出されている。「7本で回れば返ってスコアアップする(あくまで中級者)」らしい。100切れれば満足の自分は、聞いてそのとおりだと思った。
 

 かつて、まだ自分も世の中もそれなりに羽振りが良かった頃、ハワイのゴルフコースを回ったとき、日本からクラブを持って行かなかったので、ゴルフ場でレンタルしたらちょうど7本入りセットだった。

 たしかPINGのクラブで、てっきりボロボロの中古品が入っているかと思いきや、バッグを開けると、ほぼ新品の状態でその一本にはビニールまで被っていた。

 たしかに、その頃はちょうどPINGのクラブが低迷期で、おそらくセールスを兼ねた試打用だったのを貸してくれたのだと思う。
 

 そのときは、当然、14本が入っていると思っていたので、

 「えーっ、7本しかない」とマスター室に苦情を言いたくなったが、英語でクレームを言える力も度胸もなく、しぶしぶ「サンキュー」と言ってスタートを切った。

 しかし、いざホールアウトしてみると、驚くことに当時の自己ベストスコア93で回ることができたのだった。
 

 さらに言えば、借りた7本をフルで使うどころか、ドライバーと5番ウッド、7番アイアンと、AW、SW PT と、6本しか使わなかった。4番ユーティリティはビニールに包まれていたので、勝手に破いて使ってから後で、何か言われて最悪、無理矢理買わされるのも嫌で、怖じ気づいて剥がせなかった。
 

 そして、93で回った後に思った。

 果たして初心者や中級者というのレベルのゴルファーには、14本もゴルフクラブが必要なのか。そもそも自分だって、練習場でも全部のクラブを練習することはない。打っても7本なのにと。
 

 この日も、7番アイアンで、残りの距離に合わせてロフトを立てたり、寝かせたり、長く持ったり、短くもったりと工夫しながら打つことになった。それが、すべてがいい結果につながったのだ。
 

 しかし、日本に帰って来ると、そのこともすっかり忘れ、元のように14本で回るのに戻った。

 そして、ふいに金井さんの動画を見て、ふとこのときの出来事を思い出して、7番アイアンで転がせば、AWも寝かして使えば、52、56度など、様々な角度のウエッジはいらないのかもしれないと思うようになった。

 

 たくさんのクラブを使えるようになるよりも、一本のクラブを使い込むことの方が大切なのではと。さすがに、プロゴルファー猿まで行くと、行き過ぎかもしれないけれど・・・。
 

 ちなみに、誰がクラブセッティングを14本に決めたかというと、
 かつて全米アマチュア選手権を連覇したローソン・リトルという選手が、30本以上のクラブを使用してプレーしていたらしい。

 これをきっかけに、多くのクラブを持ち込む選手が増えて、キャディの負担が大きくなったため(それはそうだろう)、クラブの本数を制限する必要が生じたのが由来らしい。
 

 さらに、ゴルフの総本山天下のR&A(ロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフクラブ)は、クラブの本数を決めるべく、最初は1ダース12本とパターを合わせた13本が最適だという結論を出したが、さすがキリスト教の国、13という数字が不吉だからと、ルール制定間際に1本増やして14本になったという。これも、いかにも西洋人らしい。
 

 ということは、14本ということには、もともと根拠も特別な意味がないのだ。 たしかに30本もあると、今のゴルフバッグに入らないし、キャディの負担は尋常ではない、というか担げないし選ぶこと自体が大仕事だ。

 そもそも、5ヤード刻みで使い分けられないが、本当に30本入れられるとしたら?と架空のセッティングを考えるのも意外に楽しそうだ。
 

 けれど、自分を含めてゴルファー全員が、みんな14本持つべきだという幻想に踊らされているだけで、その人の適正数はもっと別にあるのかもしれない。
 ただ、やっぱりどうしても、ゴルフバッグに14本入れられるとを知っていると、一本でも、入れる少ないと損した気がする貧乏性なのは確かだけれど

 ・・・なかなか、7本、半分も抜く勇気が出ない。 

 〝 パター見て ハンディを当てる プロゴルファー 〝

 

 
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