自分はもともと、行列と人混みが嫌いなので、混むことがわかると、極力そんな場所は意図して避けてきた。
人気ラーメンや、人気アトラクションなど問題外であり、そうまでした混んだ店の中で食べるのもっての他だった。だったら、早朝のすき家で牛丼食べていた方がましぐらに思っている。
ゴルフ場も、数十年前のバブル時期のゴルフ場は混んでいるのが当たり前だった。
一ホール終わるごとに、数十分待たされることもざらだった。
それだけ、ゴルフもはやっていたし、ゴルフ場側も詰め込めるだけ詰め込んで、スタート間隔を極力短く設定してあった。
しかし、バブル経済ははじけ、ゴルフ場があちこち倒産し始めた頃から、ゴルフ場が急に空くようになった。予約も前日でも大丈夫なことが多くなった。18ホール終えると、ゴルフマスターからあと、「もう、ハーフ」はいかがですと、今では考えられないが、ゴルフ場の方から強く勧められたほどだった。
中にはハーフどころか、さらに18ホールを回る猛者もいた。
本来のゴルフ人口も少なくなり、練習場に若者の姿がほとんど見当たらなくなった。
そのとき、はじめたばっかり自分としては、ゴルフというのは人混みがなくて、なんと快適なスポーツなんだろうと思っていた。
前の組の姿はなく、後ろの組の気配もない。打ち込むことも打ち込まれることもない。
一世一代のスーパーショットをねらって、思いっきりドライバーをぶんまわすことができた。
ほかのショットも、何度もゆっくり素振りをして、気持ちを落ち着けてく打つことができた。
遅延プレイ?ハーフで二時間厳守(罰金ありというゴルフ場もあった)という、バブルの頃に耳にたこができるほど言われた言葉は、とっくに死語となってしまった。
コース途中の茶店でも、昼食のレストランでも、給仕の人と長々と雑談をしたり、コースに咲いている花や木々について教えてもらうこともあった。
その数十年後、最近のゴルフブームがやってきた。若者や女性がいっせいにやりだし、ゴルフ場に活気がもどってきた。
もちろん、このままゴルフ業界が寂れていくよりは、活況を呈している方がうれしいが、再び混み出すようになって、いらいらする人も多くなってきた。
後ろの組から打ち込まれることも多くなったし、何度もすぶりをくりかえしていた同伴者が、待っているカートから舌打ちされることもあった。
そんな彼らが待ち時間で何をしているかというと、だいたいスマホを見て、ゲームをしたりSNSをやっていたりする。
ゴルフに来ているのに、みんゴルなどのゴルフゲームをやっている子もいた。
もちろん、その人の勝手だが、せっかく非日常の中にいるのに、見慣れた日常のものを持ち込むなんてもったいないなあと思ってしまう。
左右を見れば、季節の木々があり、きれいな花が咲いているし、.空だっていろいろな表情を見せている。
それらをゆっくり眺めていればいいのにと思う。
と、言いながらもやはり混んでいるの嫌は嫌だけど。
“ 混んでいて 順番待ちも またゴルフ ”