雨の日のラウンドって、やっぱり憂鬱にはなるけれどいいこともあって、基本的にコースが空いていている。季節によっては貸し切り状態のこともある。
梅雨のさなかだと、特にこういうことが多くある。
自分としては、プレイ自体サクサク進むのがとにかく好きなので、混んでいてホールの間の待ち時間が多いよりも、真夏や、真冬、超早朝開始や、雨で空いている方がよっぽどましだと思っている。
だから、いくら天気が悪くても、貸し切り状態のゴルフ場は許せるタイプだ。
ただ、雨の日のゴルフ。ご存じのようにスコアはあまり期待できない。雨に強いという人は、ことゴルフに限って聞いたことがない。
そもそもレインウエアーを着ているだけでかなりのハンディキャップを背負っているし。そもそもボールも飛ばないし、グリーンの上ではボールも転がらない。
だから、雨の日のゴルフを嘆いて空を睨んでいるよりも、ゴルフ場に来てしまったらどうしようもない。何か楽しみを見出すしかない。
天を恨むのではなく、雨を楽しむ。
これしかない。その中で特にお勧めは、コースを打つ静かな雨音に耳をすますことだろう。
雨音というのは、ふりかえってみると台風やよほどの大雨でない限り、真剣に聞く機会がほぼない。防音がしっかりした家の中ではほとんど聴けないし、外では自分の傘の音や、その他の騒音にかき消されてしまう。
しかし、YouTubeやスマホアプリ(愛好者です)で雨音専門のチャンネルがあるように、実は雨音というのは愛好者がいて、多くの需要がある。しっかり、聞こうと思うと、かなり趣があるのがわかってくる。下手すれば音楽よりも心地良いと思う瞬間がある。
そして、ずっと聞いていると、雨音にも一分ごとに変化があるのがわかる。
コースでゴルフカートに座りながら、ぼんやり次ホールの順番待ちや、同伴者のショットを見つめながら、その合間にしばし雨音に耳をそば立ててみる。
すると、鬱陶しいと思っていた風景が急に近いものに感じられて、何となく気分がおだやかになってくるのがわかる。この世界には、雨も必要なんだなあと思えてくる(少し言いすぎかな)。
そして、雨音も、ティーエリア、フェアウェイ、バンカー、ラフ、グリーンの上、と場所によって微妙に変わる。
その違いを楽しむのもなかなかいい。詩想など浮かんで、短歌や俳句など出来たら尚更いい。
そして、静かにふりしきるフェアウェイのど真ん中で、傘も置いてそっとアドレスを取ると、雨というものを全身で感じられる。
それは、小学生の頃の、全身雨に打たれながら遊んでいた頃を思い出させる(これも少し言いすぎかな)。
雨を感じる。雨の本質を味わう。これってゴルフのプレイ自体にも何となく役立つ気がする。何に? と聞かれると困るけれど。
と、言いながらも、やっぱりゴルフの前日は、晴れ間を願ってしまうヘボ三文文士ゴルファーなのでした。
‘’ 嵐止み 雲の流れと ボール行き ‘’