いつかはエイジシューターに

ソロゴルフを愛するヘタレゴルファーのブログです

史上最悪のゴルファーは現れず・・・だが107

先回書いた、史上最悪のゴルファーとともにコースへ。

本当に快晴で、まさにゴルフ日和。

一緒に行った同伴者も、ゴルフ場までの快適なドライブが続きハイテンション。

 

この助手席に座る史上最悪のゴルファー、まだまだ初心者に毛が生えたレベルなのだが、まさにコースに出ても、練習場と同じく、怒り、叫び、泣きわめく。

スタート直後ティーショットをチョロしたとたん、いきなりスイッチが入る(というか出現する)。

「もう嫌だ」、「帰っていい?」、「ゴルフ向いてない」等々。顔を真っ赤にして、まるでミスさせたのが、私のせいかのようににらみつけてくる。

 

それは、数年前のコース初デビューの日だった。二ホール目で、アプローチが飛びすぎて、グリーンを飛び越えて対岸のバンカーへ。

 

ついに、手にしたクラブで地面をたたき、遠方に投げ捨てる。

それを見たとたん、いかに温厚な私でもたしなめるしかなかった。

「君はたぶん、今日日本で回っているゴルファーの中で、一番最悪どころか、史上最悪のゴルファー」だと。

 

さすがに反省したのか、その後は借りてきた猫のようになってしまった。口にするのは、「昼ご飯何を食べよう」、「それしか楽しみがない」、別の意味でブツブツと。

 

そんなわけで、その知り合いは、その日から私の中で「史上最悪のゴルファー」と名付けられた。

 

そして、この日、半年ぶりに、一緒にコースを回ったのだが、ミスしていつあの史上最悪のゴルファーが現れるかとヒヤヒヤしていたが、なぜかゴルフをやっていないときの、朗らかで陽気でナイスキャラのまま。

スタート直後で二桁叩いても、怒らず、八つ当たりせず、殊勝な顔をしてひとり反省している。

 

「どうしたの?」逆に心配になってきたわたしが訊ねると、

「ゴルフって、自分との闘いってわかったんだ」と、どこか悟ったような返答。

 

「感情が出るということは、自分と折り合いがついてない証拠。それは、つまり自分をわかっていなかったから。ゴルフの上達はまずは、自分を知ることだった」と説明してくれた。

わたしは、「なるほど」と言いながら、とにかく自分のプレイに集中したかったので、適当に相づちを打っていた。でも、その通りだった。

 

ゴルフって不思議なもので、この史上最悪のゴルファーは別格として、ゴルフが上達してくると、どんな人も、感情の制御も上手くなっていく。

いつまでもミスショットして、いちいち、「くそ」とか、「ちぃ」とか、悪態をついている人は、あまり上手くならない気がする。

 

というわけで、無事何とかホールアウトできたが、スコアは107。前半57、後半50。

 

これでは、エイジシューターを達成するには、107歳まで生きなくてはならないのだが、収穫はあった。

チッパーが大活躍した。わずか三回しか使わなかったが、いずれもベタピン。

 

「邪道だ」と言っていた同伴者も、これにはびっくりして、欲しそうな顔になっていた。

そして、後半50で回れたのは、何よりもあの「史上最悪のゴルファー」が現れなかったことに尽きる。

お願いだから、もう、二度と現れてこないでくれ・・・。

 

“ いいショット 打てた後に 風薫り ”